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マイナス金利は奥が深い マイナス金利で考えること

安全資産回避


安全資産の円とスイスフラン。スイスフランは日本円にとってマイナス金利の先輩だ。まだまだ下げないと円買いは収まらないのか。

だれよりもマイナスを大きくして投資家が逃げてくる、円を売ってくれるようにしたいところが、みな買いに来る。通貨戦争はマイナス金利競争でさらに激化する。

投資家も、金融機関も、やや困惑気味の市場であるが、いまは日銀の引き受け・購入を唯一のよりどころとして、債券を買い進む。

 

 

あがる債券価格・沈む金利


金融緩和合戦はゼロ金利競争からマイナス金利競争になり、スワップ金利は10年もマイナスゾーンに飲み込まれそうだ。

長期国債はすでにマイナス利回りということは、すでに運用商品ではなくなってきたということを意味する。

ユーロ、円という主通貨がこの状態であることは日本の投資家だけではなく、世界の運用者は困難の時代を迎えている。

 

緩和で有り余る資金は、オイルマネーの縮小でしばらくはバランスしていたが、イールドを追い求めて投資先を探すであろう。

金や不動産へと投資家はターゲットをセットしようとしている。

筆者はディスカウントファクターは0から1までの間とすっかり思っていたのですが、マイナス金利で1を上回り、ディスカウントファクターではなく、プレミアムファクターとなっている。

呼び名事態も「ディスカウント」ファクターではおかしい時代だ。

 

 

プロ市場での対応


また金利スワップ取引(通常はプラスの固定金利を受けて、変動金利を払う。あるいはその反対をする取引)も中期ゾーンまで市場金利はマイナスだ。

「マイナスの固定」金利を受け、変動金利を支払う取引は、「プラスの固定」金利を払うということ。 意味が分からなくなってくる。

 

ユーロと円の通貨スワップは、円のマイナス金利を支払い、ユーロのマイナス金利を受けるということになるのか?

リバース・フローター取引、マイナスのキャップ取引、物価連動債、コール取引の評価モデル修正。

対応は広い範囲で検討が必要になっている。

NegativeRate

「マイナス金利に対応していますか? またそれは正しいですか? 」

(出典:AFG社のValueOptimaのカーブ写真)

 

金利期間構造モデルで一所懸命にマイナスにならないように修正していたハル・ホワイトモデル自体の再修正。

金利のストレステストはマイナス金利を想定していたか?

損益シミュレーションはマイナス金利のシナリオができているか?

 

 

金利はどこまでもマイナスになれるのか?

債券のクーポンもマイナスになれるのか?

マイナス金利下の金利と為替の均衡は成り立つのか?

 

市場リスク時代のフレームワークにも影響を及ぼすことになる。

 

 

経済学も危うい


リスクフリーレートがマイナスの時代には安全資産と危険資産との間のバランスも崩れるのだ。

近代ポートフォリオ理論はマイナス金利を許容したか?

リスクリターンの関係が成り立つかも難しくなる。

大げさかもしれないが、投資理論という金融学問の一つの柱が今あやうくなっているのだ。

 

マイナス金利時代には貯蓄と消費の関係はどうなるのか?

マイナス金利時代に人々の効用曲線にどのように影響を与えるのか?

これは市場の問題だけでなく、ミクロ・マクロ経済の問題、社会の問題、世の中の問題へと拡大していく。

貯蓄は悪だ!と文化の問題になるかもしれない。

 

 

日銀の債券時価評価


それでも債券を買う日本銀行。日本の中央銀行だ。

物価上昇を狙う日銀は債券を買い、アベノミクスの号令のもと、ETFやREITも買った。

資金を市場に注入し続け、紙幣を市場にばらまいても株価はブーメランのように戻ってきた。物価は上昇しない。

このまま物価があがらずデフレスパイラルに再度陥ると、すべての努力は無意味になり、カンフル剤の逆効果だけが出てくる。

 

現時点では国民にとってどのようなくらしの変化があったか?

1.預金金利の低下 ×

2.ローン金利の低下 ○

3.GPIF運用の悪化、年金の減少 ×

4.実質賃金の低下 ×

5.保険の予定利率の低下(保険料の上昇) ×

6.物価の上昇(円高になっても輸入品は簡単に値段は下がらない。) ×

7.消費税率のアップ ×

8.株価の低迷による資産減 ×

 

急上昇して儲かった富裕層が一時的に消費を増やしたが、また不安が高まるにつれ消費も鈍ってきているようだ。

よかったのは国債費の減少はあるが、これも景気は悪くなり税収減となれば必ず増加していく。

 

心配なのは日銀


日銀の国債の時価評価の問題が出ていたが、国債の金利リスク・信用リスクについてもう一度考える時代がきている。

バーゼルのIRRBBの動きはそんな時代を先取りした動きなのかもしれない。お金をいくらでも刷って購入される日本の債券。

日銀に含み損を民間銀行からシフトする動きはこれからも続く。

 

 

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